indifferent

























気がついたら女に興味がなかっただけ、










ただ、それだけ










『indifferent』






































毎日がたるかった

学校にいってもする事もなかった

友達もいなかった

留年して誰も知らなくなった

わざわざそこにはいろうとも思わなかった

ただただ毎日が過ぎればいいと思ってた




































「あの、前から好きでした!」



































たまに告白された

でも女に興味は無かった


何にも興味はなかった































「あんたに興味ないから」


































ただ一つ学校で好きな空間があった
















図書室の一番奥の窓際の棚、









あまり人目につかず、それでいて天気のいい日は太陽の光がよく当たる


ここでよく本を読んでいた


家に戻っても暇なだけで、一人だからすることもなくて

だからいつもギリギリまでここにいた































いつも通り定位置で本を読んでいた




























「そろそろ閉めたいんだけど、いい?」































女ったらしで有名な教師がいた


まだ若いのに、女の何がいいのかオレにはわからなかったからこいつは苦手だった





























「いつもそこにいるよね、なんか悩みがあるなら相談しなよ」
















悩みなんて、ない




























「さようなら」



「気をつけて」





































次の日もそいつはいた





















「そろそろ閉めたいんだけど」








もう21時だった












「君の為にこの時間まで待ってあげたんだよ?」










頼んだ覚えはない















「そいえば君さ、この前告白されてたでしょ、モテるねえ」















「別に、女に興味ねーし」







「へえ、珍しい」




























「じゃあ」





























「男、には?」



























そいつが近づいてきた


















男が、触れた


























そして離れた














「ねえよ」








「それは残念」






























男はそう言うとまた、触れた























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indifferent→無関心な, むとんちゃくな, 無感覚な, 冷淡な


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