「やばい、俺まじやばい」
「どしたの」
「お前の事好きすぎてやばい」
『ツンデレーション』
「頭ぶつけたか?」
「まともだからこそやばいと感じているんですけれども高畑くん」
「アアソウデスカ」
「何でカタコトよ」
それは突然の出来事で
特に何かをしたわけでもないのだが
並んでテレビを見ていたらいきなり八田がほざきだしたのだ
ま、まあ確かに俺と八田は只ならぬ仲というか八田に言わせれば付き合っているのだそうだけれども(俺は認めていないが)
そもそも学校で一番といっても過言でないぐらい人気者の八田が俺の事を好きだとかほざいている時点で八田の頭はイカレていると思う
俺はというとクラスでも目立たない平々凡々な位置をキープし続けているしがない一般人なのに
何がきっかけなのかも判らない、気がついたらなんかそういう事になっていた、何故だ
「つか、何いきなり」
「いやさ、なんかこう並んでテレビ見てたらさ隣に高畑がいると安心するなーと思って
でもそんな事言ったらまた怒るかなーと思ってでもその怒った顔もまた可愛いんだよな、とか思って
どんどんどんどん高畑のことばっか考えちゃって俺高畑の良い所も悪い所も全部好きなんだと思ったらもうやばいと思って
思わずびっくりして口に出しちゃったんだけど、どうすればいいかな俺」
いや、そんな事を聞かされた俺の方こそどうすればいいのか教えていただきたい
「な、高畑は俺のどんな所が好き?」
「は?好きも何もって感じだけど」
「なんだよー、もちっとよく考えてみろよー」
考えてみろと言われても、そもそも俺から好きになった訳ではないし
いつだって強引だけど嫌だという事はしない
学校にいってる時だって無理に近づかないで適度な距離を保ってくれてるし
優しいといえば優しい
さっきみたいに恥ずかしい事もさらっと言ってのけるのはかっこいいけど逆にこっちが恥ずかしい
「うーん」
よく考えてみると、別に俺、八田のこと嫌いじゃないのかも
っていうか、あれ、むしろ逆…?みたいな?え?
「な、どう?」
「どうもこうもねえよ、俺にそんな事聞くな」
「えー、何でだよ」
「別に俺お前の事好きじゃねえし」
「じゃあ嫌い?」
「べ、別に、嫌いじゃないけど」
「嫌いじゃない理由は?」
「なっ、」
「なあ、一つ言っていい」
「な、なんだよ」
「高畑ってすぐ顔にでるの、判ってる?」
「へ?」
「赤いよ、顔」
「ーーーっ!!!」
「あーもーこういう所がたまらん!!」
そういうと八田はげらげらと笑い出した
俺はというと恥ずかしくて悔しくて、言葉もでてこなくて
どうせ口を開いても言葉じゃ八田に敵わないのであればいっその事行動で示してやれ、
と思った俺は渾身の一発を奴に喰らわせてやったのであった
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たまには超加糖気味で
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