dependence




























その男はすぐに手を上げる
言葉で責め立てる
しかし暫くするとその殴った手で俺を求め
俺を罵ったその口で愛の言葉を囁くのだ





『dependence』



















ガツンッ



ああ、やっぱり殴られた、そう思った
この男は酷く俺を束縛する
少しでも自分から離れようものなら容赦ない
監禁まがいの事もする
それなのに俺は離れてしまったのだ
少しならいいか、と思って
何時もそう思っては殴られてまた同じ事をしてしまう




何度言ったら解るんだ
何で俺の傍を離れるんだ
お前は俺を愛していないのか




何時もこの繰り返し
何度も何度も同じ事の繰り返し

何度言われてると思っているの
何で傍を離れると思っているの
何でこれで愛されていると思っているの








暫く理不尽な暴力に耐えると嗚咽が聞こえてきた



ごめん、ごめん、
こんなつもりじゃ
好きなんだ、
アイシテル


甘い言葉と只管優しい手が俺を弄る
この時間が堪らなく好きで
何度同じ事を言われても
何度同じ事をやられても
何度愛を疑われても

繰り返してしまうんだよ




















この男はすぐに手を上げて
俺を罵る
しかし暫くするとその殴った手で俺を求め
俺を罵ったその口で愛の言葉を囁く
俺はその暴力を受け止め
その言葉を聴き
その後の優しい手に喜びを感じ
愛の言葉で歓喜する




















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