time machine

























「来ないな」
「来ないね」
























『time machine』



















先日の合コンでちょっといいなという子の番号をゲットしたので
早速呼び出してみた








しかし約束の時間を過ぎても現れない


















「健二くん、中々来ませんなあ」
「うっせーよ耕太、お前こそ来てねえじゃねーか」







耕太は幼なじみで、大学も一緒で合コンも一緒にいって
別々の相手を呼び出したのだけれども
こっちもアウトらしい














「俺らってさー本当女運ないよね」
「確かにな」
「健二はさ本当に彼女欲しいの?」
「別に、お前は?」
「うーん俺もそこまで欲しいとは思わないんだよね」



不思議な事に、と耕太は続けた
























「耕太さあ」
「んー?」
「まだ俺の事好きだろ」
「そーかもね」
「はは、やっぱり」
「健二もさ」
「ん?」
「まだ俺の事好きだろ」
「まあ…そうかもな」





















あの頃は二人共子供で
好きとか嫌いとか考えてなかった
終わった時には忘れられなくなっていた





















しかし一度終わったものは始まらない
同じ気持ちでいられない
あの頃が欲しい俺達は今更始める事ができない


















「タイムマシンねえかな」
「ねえよ」



























でも実際あっても困るだろう
戻ったって
あれが続いているとは思わない

























「来ないなー」
「ああ、来ないな」































いつまで待ってもきやしない





































----------




text