朝起きると、何故か小林に包まれていた
少し思考が停止して、ああそうか、昨日は小林ん家で飲んだんだったなと思い出した
しばらくぼけっとしていたが小林はおきる気配がない
まあ今日は授業も午後からだったしまあいいか
認めたくはないがとても落ち着くし
本当認めたくないのだけれど
だけれども、いい加減認めなくちゃいけないだろう
小林といて楽だし、落ち着くし、こんな事になっていても嫌ではないのだから
『距離』
最近はそこまではちゃんと自分でも解っているのだ
小林に好きだといわれることは嫌ではない
そこまではいいとする
だがしかし俺が小林の事を好きかと問われるとそれはどうだろう、と思う
別に一緒にいるのもいい、恋愛対象に見られるのもいい
だが俺は未だに小林を恋愛対象としてはみれていないと思う
自分で自覚していないだけなのかもしれないが
きっとそれは今の距離が心地いいから
これ以上離れても近づいても駄目なのだろう
俺はこの先の事をよく考えてもいないが
このまま卒業してもなんとなく小林との親交は続くと思うし
久しぶりに会ったってそんな気もしないだろうし
いつまでたっても変わらない距離感
それが一番心地がいいのに
「このままじゃ駄目だよな」
「このままがいいよ」
ぼそりと呟いた独り言に答えが返ってきた
一瞬エスパーかと思ったが多分今の体勢の事なのだろう
いつまでもこのままでいられるなんて、そんな事はありえないのに
----------
text
|
|