小林と増田



























「はあ…」



「どうしたよ小林」







「俺、今すっげー悩んでるっていうか困ってるんだけど」
「うん?どした」
「俺のお願い聞いてくれるかい増田くん」













『210円』


















「え、っと、どうしよう」







いや、聞いてやりたいのは山々だがね、こいつ最近変な事言うしさ
あんまり、こう…変なのは聞けないじゃない







「聞いてくんないの?」
「いや、内容によります」
「聞いたら絶対に聞いてくれる?」
「いや、内容によります」
「だめじゃん」
「いや、内容をいえよ」














何でそんなにもったいぶってるんですかお前は


そんなに聞いてもらえないような内容なんかっての


だったらこっちもきけねえっての!




















「いやね、ちょっと恥ずかしいことだからさ」
「何、それはお前が恥ずかしいのか、俺が恥ずかしいのか?」
「そりゃ俺でしょ」
「そうか…」








じゃあ変な事じゃない、のか?















…しょうがない、覚悟を決めるか


























「いいよ、言えよ、聞いてやるからさ」
「まじ!?助かる!」
「おう」

「実は…210円しかなくて」


















「は?」












「や、だから所持金が210円しかなくて」
「そんなことかよお前」


















散々焦らせてそんなオチか



















「そんなことってこれ俺の昼代だべ?定食食えないべ?」
「はいはい、貸してやるから」
「うん、頼む」


















ったくしょうがねーなー…






と思いつつ財布を確認する





























「あ」

「え?」


「ごめん」



「えっ?」






「俺も210円しかねえわ」




































































その後二人して宇野に借りにいったのは言うまでもない























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