最近小林が学校に来ないんだ
『無断欠席』
「はよー」
「おはよ、何、今日も小林休み?」
「知らん、来てないならそうなんじゃね?」
「冷たいなー増田くんは」
「どーせ俺は冷たいですよ、冷徹人間ですよ」
しかし小林が顔を見せなくなってそろそろ4日ぐらい経つ
携帯に連絡しても繋がらないし
一体何をやっているんだあいつは。
講義が終わって、気づいたら俺は何故か小林のアパートの前に立っていた
いや、断じてあいつが心配だからとかそんな理由じゃない
なんとなくだ、なんとなく
チャイムを押したら中から人の気配がした
ガチャ
「あり、どしたの増田」
あれ、何か前にもこんなシチュエーションなかっただろうか?
デジャブ?
「何だじゃねーよお前、ずっと大学休んで何やってんだよ」
「何って…これ」
そういって小林は自分の足を指した
そこには仰々しく包帯が巻かれていた
「…折ったのか」
「いや、捻っただけ、でも痛いから家でたくなくてさ」
「何で携帯出ないんだよ」
「ああ、どっかいっちまったんだよ、多分部屋ん中にあるけどもう充電切れてんじゃねーかな」
「お前なあ…」
けしてお世辞にも広いといえない部屋なのに、携帯が見つからない程散らかしているのかお前は
「で、増田は何しに来たの?」
「は?」
わざわざこんなところまで来て理由は一つしかないじゃないか
「お前に会いに来たにきまってるだろうが」
「まじ!?」
「それ以外の何がある」
「え、だってさあ」
「4日も連絡取れないで学校にも来なかったら普通何かあったかと心配するだろうが」
「心配してくれたの?」
言われて気づいた
何、俺こいつのこと心配してたの?
いやいやいや、ないない、絶対ない。
「んな訳あるか!!」
「いや、だって今自分でいったじゃん」
「お間の心配じゃねえよ!!」
「えー、何だよそれ」
なんていいながらも嬉しそうに笑うもんだから
俺は強く言うことができなくなってしまった
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