04




























「あれ、ヒロは?」










生徒会室をでて職員室へと向かう途中
さっきまでいたはずなのにヒロがいなくなっていた
先帰ったまか、いやしかし誰にも何もいわずに帰るなんてあいつらしくない
それかまだ生徒会室にいるのだろうか








「あれ、さっきまでいたよな」
「まだ生徒会室にいるんじゃない?」
「ちょっと俺見てくるわ、先いっといて」
「うい」












戻ってみたはいいものの
やはりそこにヒロはいなく、でかい鏡があるだけだった












「まさかひっぱられた訳じゃねえだろうな」












ここの怪談はなんだっただろうか
ひっぱられてそれからどうなるのだったろうか
曖昧にしか記憶していないから覚えていない
鏡にひっぱられたとして、そしたら鏡の中に入ってしまうのだろうか
いやでもそんな事あるわけない
きっと先帰ったんだ
そう、思いたかった
































04































「せーんせー鍵貸してくださーい」
「何だお前達まだいたのか」
「ミステリーツアーの最中なんす」
「何だそれ、で、どこの鍵?」
「音楽室」
「はあ?何でまた、楽器とかに触るなよー、壊したら弁償だからな」
「わかってますよー」






ガラッ







「あ、カズ戻ってきた、ヒロいた?」
「いや、いなかった、もしかして先帰ったのかも」
「でも何も言わずに帰るか?」
「そうなんだよな」


そうなんだけど、そうだと信じたいのだ



「何かあったのか?」
「生徒会室に行ったんですけど、ヒロがいなくなっちゃったんです」
「生徒会室ってお前らあそこいっちゃったの!?」
「うん」




そういうと先生は困った顔をした





「あのなー、あそこは授業終わったら立ち入り禁止って校則で決まってるだろうが」
「え、そんな校則あったの?」
「っていうか校則なんて見ないし」
「そんなんだから今回みたいな事になるんだろうが、社会にでたら知りませんでしたじゃ通らないぞ」
「何で入っちゃダメなの?」
「弘輔みたいな事になるからだろうが」
「え、ヒロどうなっちゃったの!?」
「七不思議の通りだよ、鏡にひっぱられて別世界にいったんだろ」




「「「「は!?」」」」






別世界だって?
仮にも教師がそんな漫画か小説みたいな事言うの?
っていうかそれ真面目にいってんの?
なのになんでそんなに平然としてるの?
そして何故他の教師達も集まってきてるの?








「せ、せせせせせーーんせーい、起きてますか?疲れてますか?」
「先生は疲れてるけど本気です」
「だってありえないじゃんそんなの!!」
「お前は若いくせに頭が固いなあ」
「そうだぞー、わしが若い頃には何人かいっとったぞー」
「何そのちょっとそこまで的な感じ」
「昔からあるみたいなんだわ、そういう事が」
「だったら対処しろって!!」
「だから校則で禁止してるんじゃないか」
「あ」







それを破ったのは俺たちっていう事ですか、そうですか
でも本気で対処しようと思うなら鏡を処分するべきじゃないですか







「だし別に戻ってこれない訳じゃないしなあ」
「そーなの?」
「今でも行ったり来たりしてる卒業生いるし」
「まじで!?」
「この学校ってそんな不思議があったなんて俺知らなかった」
「らんまるショック受けてるよ」
「ねーねー、じゃあ俺らも行けるのかなー?」
「何、ちゃん行きたいの!?」
「だって気になるじゃん別世界」
「相性があるみたいだぞ、弘輔しかいけなかったんならお前らは無理なんじゃないか?」
「うー、帰ってきたら色々聞き出してやる」
「ああ、そういえば瑞穂が来るのは明日じゃありませんでしたか?」
「そういえばそうですね」
「誰?」
「今でも通ってる卒業生、気になるなら話聞いてみたらどうだ?」







ちらっとちゃんを見てみる、目が輝いている
らんまる…は屍のようだ、うたまろは頷いている
しょうがない、ヒロが本当に別世界にいっていて無事なのかわからんし
話を聞いた方がいいだろう
べ、別に好奇心とか別世界が気になるだけとかじゃないぞ!!(俺は誰に言い訳しているんだ)










「じゃあ弘輔の親には学校から連絡をいれておくからお前らもう帰りなさい」
「えー、他の場所もいきたいのにー」
「また誰か消えても困るだろう?」
「え、まだ何かあるの?」
「あるかもしれないだろうが、はい帰った帰った」
「ちえー」










そして結局ミステリーツアーは中止になり俺たちはそのまま帰路へついた
しかし本当にヒロは別世界へいってしまったのだろうか
先生達はさも当たり前のようにしていたので
まったく現実味がないのだけれど
もしそうだとしたらヒロはいつ戻ってくるのだろうか

先生達は心配ないみたいに言うけど、凄く心配だ
あいつは結構周りに流されるタイプだからなあ





















「無事に、戻ってこいよ」



































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