06








































「レンブランド様が戻られたぞー!!」
「宴の準備だ!!」
「王様にご報告を!!」







城へ戻ると
大変な騒ぎになってしまいました。















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「おー、意外と早く戻ってきたな」
「よく言うぜ、狡い手使いやがって」

城に戻ると出迎えてくれたのはシドだった

「なんだかんだ言って皇子様はお優しいですから」
「わざとだっつの」

うわあ、怖い空気ですよ、お二人さん

「んじゃ早速明後日には式をするからな」
「は!?」
「早すぎやしねえか?」


式ってナンですか
結婚式って事ですか?
男同士でそんな事するんですか?
っていうかどういう事ですか!?



「いやあ、レンに嫁が出来たっていったら隣の皇女様が来るってんでな、」
「ついでに見せ付けてやれってか?」
「そうそう、じゃないと諦めないだろ、あの嬢ちゃんは」
「だろうな…しかし、あいつか、うっとうしいな」
「あんまり邪険にするなよ?」
「善処はするよ」


「ええと、すいません」
「ん?」
「お、俺はどうすれば…」
「「立ってるだけでいいぞ」」


左様でございますか…












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なにやらご馳走に囲まれて腹いっぱい食わされて
至れり尽くせりな一時が過ぎた
この国の王様という人(要はレン達の親父さん)にも会わせてもらった
なんていうかナイスミドル、だけどこの親にしてこの子供あり、そんな感じだった




「おっ、君かレンの嫁になる男は」
「は、初めまして、弘輔といいます」
「んんん?そんなに緊張しなくてもいいぞ、惚れるのはかまわんがな」






あほかこのおっさんは
この国終わってるな、かわいそうに、なんて思ったことは秘密です
































ぼふっ





「どへーっ、なんか知らんけど疲れた」



食事が終わり、部屋へと案内された
凄く広い部屋で、ベッドが半端なくでかい、キングサイズ?よりでかいんじゃね?的な
しかしこれがふかふかで気持ちいいのだ
ちょっと極楽です


布団に埋もれてうとうとしていると部屋にレンが入ってきた







「お疲れさん、それ気持ちいいだろ」
「うん、こんなふかふかの初めてだ」
「そういう所は贅沢なんだよなこの城、これに慣れると街の寝台で寝られなくなっちまうから嫌なんだけど」
「ああ、それ分かるかも」




確かに昨日の宿屋のベッドは堅かった




「てかあんたまた街に出るつもりなのか?」
「あたり前」
「ちみっこが悲しむだろ」
「今までと同じだろ?大丈夫だよ」
「勝手だな」
「そういう性分なんで」




本人はそれでいいかもしれないが
周りは大変だ
今回のちみっこが起こした事がいい例じゃないか
こいつはそういうことを考えないんだろうか




「つかなんでベッドに入ってくんだよ」
「当たり前だろ夫婦なんだから」
「はあ?」
「ここは俺とお前の部屋なんだよ」
「うそ、だろ」
「だからこのベッドは俺のでもあんの」
「ざけんな、つかひっついてくんなよ!」
「夫婦がベッドに入ったらする事は一つしかないだろ」
「ねーよ、お前なんかとする事は一つもねーよ!!」
「まあまあ」
「まあまあ、じゃっ、ねえっつの!!」






無理矢理俺の上に乗ろうとしてきたレンを思い切り跳ね除けた
思いのほか当たりがよかったらしく、レンはベッドから転げ落ちていった
なにやら痛がっていたが自業自得だろう






「なんだよ、つまんねーの」
「お前に遊ばれてたまるか」
「あ、わかった?」
「わからいでか」







言うとレンは諦めたらしく、長椅子に横になった
長椅子といってもシングルサイズぐらいある、これで十分寝れそうだ







































次の日、なにやら部屋の外が騒がしくて目が覚めた










「…様困ります!!」
「レンブランド様はどこなの!!」








なんだ?
やけに廊下がバタついている気がする
女の金切り声も聞こえるし
何かあったのだろうか?
長椅子を見てみるとレンはまだ眠ったままだった
お前この状況でよく寝れるな
と、思った瞬間






ドバンッ!!!







勢いよく部屋の扉が開けられた




「レンブランド様!!」




扉を開けたのは同い年ぐらいのヨーロッパ風のドレスを着た女の子だった
さっき廊下で騒いでいたのはどうやらこの人のようだ





「レンブランド様!見つけましたわ」
「ん〜」





こんな状況でもレンはまだ眠っておられます
それでも懲りずに女の子はレンに話しかけているもんだから、ちょっと可哀想になって
長椅子までレンを起こしにいったのであります(因みに俺はスルーされまくり)





「レン、いい加減おきろよ」


そういいながらガツンと殴ってやった
いや、軽くだけどもね
そしたら何か女の子に悲鳴上げられて、何するのこの野蛮人なんていわれて
それ程の事かしらなんて思ったりして


「朝から激しいねーこーちゃん」
「こーちゃん言うな」
「じゃあハニー?」
「却下」



そんなんで呼ばれてたまるか、気持ち悪い



「レンブランド様!」
「ん、ちょっと待ってね、コウ」



女の子の呼びかけを軽く流して何故かレンは俺を手招きした
何だろう?と思い俺は無防備に近づいた
そして




「おはようのちゅー」





をされてしまった
瞬間何が起こったか理解できず、一拍置いて女の子の叫び声が聞こえてそれが遠ざかっていった
俺は離れようとしたが逆に捕まりもっと深くされてしまった


「っ、な、何すんだよっ!!」
「虫除け」
「は!?」
「ま、俺のだけど、うぜーんよあいつ」
「今の、女の子か?」
「そ、俺の許婚気取りでさ」
「まさか、結婚ってのもあの子を遠ざける為?」
「半分ぐらいな」


まあ、普通に考えて何の理由も無しに同性と結婚しようとは思わないよな
こっちも同じだからいいんだけど
なんだろう、ちょっと拍子抜けっていうか、安心した


「で、あの子誰」
「隣の国のお姫様」
「お姫様!?」
「結構執念深いから気をつけろよ」
「なら巻き込むなよ」
「それはそれ」
「おいおい」































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