santaclaus


































クリスマスの次の日は極度の疲労で一日寝ている
なのに隣の家のガキは俺を叩き起こしてくる
誰かこいつを黙らせてくれ






























「三太ー!!いい加減起きろよ!!」
「うるせ、俺はお疲れなんだよ、寝かせろ」
「んだよー今日は後夜祭があんだぞー」
「だからなんだよ、あれは夜だろうが」
「カイさん誘うんだよ!一緒に森に行こうよ!!」
「何で俺が」
「俺が迷うからに決まってんだろ!!」
「親にでも案内してもらえよ」
「知らないっていってたもん、三太は知ってるんだろ?カイさんの小屋」
「知らねえよ」
「だって五郎が知ってるじゃん、カイさん五郎の事知ってるっていってたよ!三太とも知り合いなんじゃないの?」






ああうるさい
聞きたくない名前を連呼するな
何でわざわざ俺があいつに会いにいかなきゃならないんだ
今更どのツラ下げていけばいいんだ





「だったら五郎に連れてってもらえよ、喜んで行くだろうよ」
「やっぱりカイさんと知り合いなんだ…」
「どうだっていいだろうそんな事」
「…わかったよもういいよ!!五郎借りるからな!!」
「どーぞ勝手に」










やっと静かになった
ああこれでゆっくり休める























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「三太のばーか!!」




人がせっかく気を利かせてやったのに!!
まあ、余計なお節介なのかもしれないけど
てか本当に三太がカイさんと知り合いなのかも解らないけど
でも、カイさんの態度を思い出すと、そう思うんだよな
五郎も知ってるし
もしそうなら会わせてやろうと思ったのに…

ま、それでなくてもカイさんを後夜祭には誘おうとは思ってるんだけど
だって、ずっと森からでてないみたいな口ぶりだったし
せっかく知り合えたんだからもっと仲良くなりたいし


「五郎、カイさん所に行こう」































「カイさーん、遊びに来ましたー」


ドアを叩いて声をかけると中で動く音がした
そしてドアが開く


「いらっしゃい、また来てくれたんだね」
「はい、今日はお誘いに」
「お誘い?」
「今日はクリスマスの後夜祭があるんで、よかったらカイさんもー、と思いまして」
「後夜祭?」
「夜なんですけど、色々出店もでるし楽しいと思うんです!」
「ありがとう、だけど俺は遠慮しとこうかな」
「なんで!?」
「いやあ、よそ者だしね」
「三太ですか?」
「え?」
「カイさん三太と知り合いなんでしょう?」



確信はなかった
しかし三太は否定しなかった
大人達は都合の悪いことがあるとよくそうやって濁す
カイさんも三太も曖昧だった
だからきっと二人にとってお互いが都合の悪い事なのだろうとは思う



だけど、昨日の三太の別れ際の顔は会いたくても会えない
そんな哀しみを感じさせるような顔だった
そんな顔を見てしまったら何かしてあげなきゃ、と思う
おせっかいかもしれないけど
きっと大人は素直にはなれないから
子供という特権を使ってどうにか二人のわだかまりを取ってあげたい







「その、三太という人がそう言ったの?」
「言ってません」
「じゃあ何でそんな事」
「否定しないからです、三太もカイさんも濁すばかりですから」
「そっか」
「カイさんは、三太に会いたくないですか?」
「なんで君はそんなに会わせたがるの?」



質問を質問で返すなんて卑怯だ
こちらの言い分だけを聞き出して都合のいい答えを出すのだ



「カイさんがはっきり答えないからです」
「君は容赦ないね」
「あ、すいません、つい」


つい熱くなってしまった
俺は何故こんなにも必死になっているのだろうか



「いいや、悪い癖だね誤魔化して有耶無耶にしてしまうのは」
「え…」
「正直なところ、あまり会いたくないというのが本音かな」




「そう、なんですか」

「でもちょっと気になる、かな」
「三太はきっと会いたがってると思いますよ」
「それはないんじゃないかなあ」
「じゃあ、三太が会いたいって言えば会いますか?」
「そうだね、そんな事言われると俺に拒否権はないから」


それは嫌々じゃないか
だったら俺は何もしないほうがいいじゃないか



「あの、じゃあ、三太と会わなくてもいいんで後夜祭には来てください!」
「え?」
「人沢山いるし、本当に楽しいんです、だから…」
「ありがとう、じゃあちょこっとだけお邪魔しようかな」
「!!本当ですか!?」
「うん」
「ありがとうございます!!」

























































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